有島 菜穂子

有島家の主婦。
ごくごく普通に茂伸村に産まれ育ったのだが、都会に行きたいという野望に取りつかれ、18の春に両親の反対を押し切って東京に出た。
喫茶店のウェイトレスの仕事を通じて、そこの常連客であった尚武に片想いをする。
尚武の役に立ちたい一心で働きながら看護師資格を取り、尚武の病院へ就職を！　という段階で尚武のほうから告白を受け、両想いだったことが発覚し、交際ののち婚約へ至った。
茂伸育ちで、看護師という激務をこなしてもいるので体力はあるが、運動はまったくしないし、それゆえに（決して人に劣るものではなかった）運動能力も、完全に錆び付いてしまっている。

50の大台を迎えたが、容色に衰えは見えず、実の娘のありすをして 「ママって、アンチエイジングの魔女よね」 とまで言わしめている。
夏葉のことを真摯に心配しつつ、ありすが透をあきらめきらない状況が七年も続いていることに頭を悩ませている。